2019.06.22 05:18#フィールド・オブ・ドリームスと笑い男(今回はいくつかの作品についてネタバレになるかもしれない内容を含みます。予めご了承ください。) ケビン・コスナー主演、1989年公開のアメリカ映画『フィールド・オブ・ドリームス』について語りたいと思う。 もちろん大好きな映画なのであるが、アメリカ人にとっては特別に思い入れのある宝物のような、一年に最低一回は観返し子供たちにも伝えていきたい、国民的映画のような存在なのだそうだ。私達にとっての「忠臣蔵」のような娯楽作なのかもしれない。 ではなぜ、そのように、アメリカ国民にとって大きな存在となっていったのであろうか。アメリカの国民的スポーツの野球を題材とし、60年代をキーワードとして夢や希望、家族の絆といった、アメリカのよい面、美徳を描いていることがその理由...
2019.06.15 13:15#怪談というものについて 現在、怪談師と呼ばれる人達がたくさんがいるのであるが、それは芸人であったり、役者やタレントであったり、ネットを中心に有名になった者であったり、群雄割拠と言っていい状況である。しかし、私達が一番に頭に思い浮かべるのは、やはり、御大稲川淳二氏であろう。氏は元々工業デザイナーであり、その道では素晴らしい経歴の持ち主であるのだが、演劇の道に関わるようになり、いつしか怪談を披露することがクローズアップされ、現在の地位を築いていった。 近頃よく耳にする、”第二の稲川淳二”と言うフレーズに私は違和感を覚える。稲川氏がなぜ人々の心を掴み、支持されてきたのかをよく考えてみないと”怪談”というジャンルそのものがおかしな方向へ行ってしまうのではないかと、危惧しているのであ...