2019.09.09 10:20#オブリビオン 観終わって思ったこと(ネタバレあります) ジョセフ・コシンスキー監督による2013年のアメリカ製SF映画。デビュー作の「トロン・レガシー」も大人から子供まで楽しめるディズニー映画らしいSFエンタメであった。この人、SF好きなんだろうなあ、ビンビン伝わってくる。ただし、オリジナルの当時の映像技術の限界からくる偶然も大きく関わるであろう、あの”あまりにも異様で異質な”電脳空間の味わい深さは残念ながら再現できていない。よく見かける画面の絵面として流され埋もれてしまうようなモノだった。 異星人スカヴからの侵略を食い止めたものの、核兵器によって荒廃してしまった西暦2077年の地球で、スカヴの残党を始末するため、高度1,000mの上空から地上を監視する任務についた、ジャック・ハーパー...
2019.09.07 11:04#「月に囚われた男」と自身の創作(明らかなネタバレがあります。未見の方で結末を知りたくない場合、ご注意ください) 2009年のイギリス製SF映画。監督はデヴィッド・ボウイの息子でもあるダンカン・ジョーンズ。短期間の撮影、低予算であるにも関わらず、登場人物を絞り、特殊効果もミニチュアを上手く使い、そんな舞台裏の事情など微塵も感じさせない一級品のSFスリラーとして高く評価されている。 登場人物はほぼ一人なのだが、主演のサム・ロックウェルが自身のクローンを複数演じ分ける渾身の演技が素晴らしい。月面基地の外観や作業車のカットは、ほぼミニチュアを使用しており、CG全盛の現在からすると、懐かしくも感じる。同じ英国制作の「サンダーバード」に代表されるジェリー・アンダーソンの作品を髣髴とさせる、ク...