早い・安い・うまい、でおなじみ、ディーン・R・クーンツ原作「ファントム」の映画化。ベストセラー作家としての評価は高いのに、自作品の映画化はことごとくZ級になってしまっていることに業を煮やした御大が制作総指揮まで務めた作品。その結果「お前もダメじゃん!」と世界中から突っ込まれてしまったのはご愛嬌。いや、私は楽しかったし、くれぐれも言っておくが原作は傑作。映画製作というのはことほど左様に一筋縄ではいかないものなのである。若き日のベン・アフレック主演、リーヴ・シュレイバー(オーメン666では主演!)が頭のイカれた部下を怪演、そしてピーター・オトゥールまで引っ張り出してきての力の入れ様!仕事選んでください、ピーター!ってもう遅いけどね。中国兵士大量失踪事件やロアノーク島の集団失踪、海洋生物の突然の大量消失などの謎をベースに、田舎町に取り残された人々と〝太古からの敵"との闘いを描くSFホラー映画。しかし英語圏の人にとって、ロアノーク島の件って余程思い入れが深いのか、スティーブンキングも作品のモチーフにしていたなあ。興味のある方はググって頂きたい。映画そのものは映像も綺麗だし、役者の演技も達者で娯楽作としては楽しめると思う。ここで注意しておきたいのは、ポテトチップを片手に、鼻くそをほじりながら見る映画だということ。つまりハードルを極力下げて見て頂きたいということ。出来れば原作と合わせて体験して頂き、小説を映像化するにあたり、越えなければならない分厚い壁が幾つもそこに横たわっている現実を知って頂きたい。そんな現実、誰も知りたかないけどね!
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