#狂気の山脈にて #田辺剛

H・P・ラブクラフトの数少ない長篇作であり代表作を漫画化。南極探検隊が偶然発見した太古の遺跡には、人類が関与していたであろう痕跡がまったく見られず、未知の文明が人類誕生の遥か以前に存在していたことが判明してくる。そして探検隊は更なる恐怖と対面することとなる。デルトロ監督が映画化を企画していたのだが「プロメテウス」が公開されてしまい、断念した。物語の骨子がよく似ておりそれもそのはず、あっちがこれをベースにしていたから。期待していたのに残念でならない。さて漫画化についてであるが、失礼ながら私は田辺氏について全く知らなかった。過去何人かが漫画化してはいたのだが、あまりピンとくるものがなくスルーしていたのであるが、一目、氏の絵を見た時から、一瞬で魅了され思わずアマゾンのボタンをクリックしていた。読んでみて間違いのなかったことを確認し、さらにそれ以上の完成度であることが分かった。緻密で陰影の強い筆遣いとデッサン力の高さ、そして何より原作を深く愛しており、ラブクラフトの宇宙的恐怖を見事に漫画化している。おそらく世界的にみても、これほどの完成度でラブクラフト世界を再現した者はそうはいないと思う。他の原作も漫画化しているので少しでもラブクラフトに興味のある方は読んで頂きたい。そして宇宙的恐怖に震えろ!

ザルで水汲むマニア心

映画やゲームについて好きなことを呟いていきたいと思います。一部ネタバレを含む場合があります。

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