題名で敬遠してる人も多いかとおもうが、知る人ぞ知る傑作。世界的に有名なデザイナーでもある巨匠ソール・バスのおそらく唯一の商業映画作品。この人は様々な企業のロゴもデザインしていて、おでんの紀文のロゴも実はこの人の作。それ故に映画そのものがとにかくスタイリッシュ。見ていて異常なほど。デザイナーであることの面目躍如か。物語は異常に進化した知能を持つ蟻と研究施設に取り残された人間との闘いを描く。蟻の攻撃が想像を超えてくる。例えば、巨大な蟻塚を建設し、表面を滑らかにして太陽光線を施設に反射させ、中の温度を上昇させる。兵隊蟻を侵入させ、配線をショートさせたりもしてくる。全てが女王蟻の統率の下、人間は徐々に追い詰められてゆく。ラストで、主人公と偶然助かった近所で暮らしていた少女の二人が蟻たちによって、人間のサンプルを確保する目的で飼われるていくことを暗示して幕を閉じる。これからは、世界は蟻たちによって支配される、彼らの計画においての、フェイズⅣの段階に入ってゆくのである。写真を見ていただければお分かりかと思うが、少女役のリン・フレデリックの美しさが際立っていた作品だ。クリクリっとした大きな瞳と卵型の顔立ちがいかにも日本人うけしそうで、現に当時、そこそこアイドル的な扱いをされ、その筋の者達から絶大な人気を得ていた。そして彼女はその後、なんとあのピーター・セラーズの奥さんとなる。親子ぐらい歳が離れていたんではないだろうか。クルーゾー警部って、そっち系の人だったのね。
0コメント